コンセントを増やそう

ここは木造住宅の2階の腰壁です。
仮置きなのですが子供の小さな机を置くので電気スタンドが使えるようにコンセントを付けることにしました。
当初「延長コードでもいいかな?」と、思ったのですが、机を移動してもコンセントがあれば掃除機を使うのも便利だし、
このさい埋め込み式のコンセントを増やすことにしました。


施工前
ご覧のように他のコンセントも近くに無い場所です。
ここは2階なので1階の天井裏に配線を通すことが可能なのか?調査をします。

1階押入れの点検口から覗いたところ、この壁は空洞で1階の天井裏との間にも数センチの隙間があり、簡単に電線が通せそうです。
しかも電気を分けてもらう既設のコンセントが点検口のすぐ上にあります。

これは、自信を持って実効です。
必要な物
電気工事を行うには、とても多くの道具が必要になってきますが、この場所にコンセントを取り付けるだけならば、写真に写っている程度のものを揃えれば何とかなります。
材料は
◎VVFケーブル1.6mm×2芯(付けたい場所と、電源を取れる場所の距離の1.5倍〜2倍程度あったほうが安心です)
◎後付ボックス(グレーのボックスです)初級編で使った挟み金具でも可、
◎コンセントは今回は3口のものを使用します。
◎プレートはプラスチック系の白が一般的ですが、好みによって数種類の色や材質があります。
道具は
◎ペンチ
◎電工ナイフ(ケーブルストリッパを持っていれば無くてもよい)
◎ドライバー
◎スケール、差し金もあると便利
◎カッターナイフ しっかりした物
◎廻し引き のこ
◎検知針
◎水準器 (無くても電気は使えますが・・・)
先ずは間柱を探します
コンセントを取り付けるために穴を開けるわけですが、柱の場所に当たってしまうとコンセントを取り付けることも、電線を通すことも出来なくなってしまいます。
失敗しないためには柱の位置を把握することが重要になってきます。

大雑把には、軽くこぶしで叩きながら移動すると重たい音に変化した所が柱です。一般的な壁は尺寸法が多く、端に柱があり次の間柱は303mmや455mmといった間隔で立っています。メーターモジュールを採用しているメーカーは500mm等もありますので、自分の家の構造を知っておくと、棚を吊ったり他の仕事にも役に立つので調べておきましょう。
検知針で確実に
石膏ボードの壁に針を打ち込んで裏側の柱を探します。柄を持って壁に垂直に押し付けると中から針が出てきます。裏側に何も無いところでは抵抗無く入ってしまいますが、裏に柱などが有ると針が途中で止まり発見できるという、とてもシンプルな道具で、ホームセンターで手に入ります。検査するときに小さな穴が開いてしまいますが、針が細いのであまり目立ちません。しかし、たくさん打つとそれなりに目立ちますので、必要以上に打たないようにしましょう。
気になるほどあけてしまった方は壁と同じような色の水性の目地シール(コークボンド等)をすり込み、濡れ布巾で拭くとわからなくなってしまいます。
開口部を鉛筆でけがく
写真に写っているのは後付BOXと呼んでいる、その名の通り後から壁に取り付けるBOXです。
通常スイッチやコンセントは壁の中の柱にボックスをビスで止めてあります。しかし今回は空洞部分にコンセントを取り付けるために壁に埋め込んで固定することが出来るボックスを使用します。初級編で紹介したはさみ金具のようにボードを挟み込んで固定するのですが、付けたい場所に柱が有れば、柱にビスで固定することも出来ます。
コンセント取り付ける位置が決まったら、水準器を使いボックスの周りをずれないように鉛筆でケガキましょう。水準器は無くてもいいのですが、曲がっているとかっこ悪いので、無ければ直角の箱や本等を床に置き、ボックスを脇に沿わせれば大丈夫。
クロスにカッターを入れます
鉛筆で書いた線の上をなぞるようにカッターナイフで切り込んでおきます。こうすると穴を開ける外側のクロスが破けたり、石膏ボードが崩れたりしずらくなります。
慣れていて自信のある方は省略してもいい作業です。
いよいよ穴あけ
後の掃除が楽なので簡単な養生をして、いよいよ穴あけです。
ここでやめたらかっこ悪い〜

もう後戻りはできません
通線作業
廻し引きのこで穴を開けたら1階の天井裏へケーブルを送り込みます。このとき電線は天井裏に丸まるぐらい多めに送り込んだほうが作業しやすいのですが、電線を扱いなれていないと絡まってしまい、かえって苦労してしまいます。そこで、電線の代わりに紐や細いロープを先に通し、後で電線の端を結びつけて通しなおせば簡単に出来ます。

電線は引っ張るだけだと壁や柱の角に引っかかってしまい、押しても途中でぐにゃぐにゃに丸まってしまいます。そこで電線を押し込む人と、引っ張る人の2人で作業して見ましょう。5歳の子供に手伝ってもらうだけで数倍も作業がはかどります。
舞台は1階の天井裏へと移ります
1階の天井裏は押入れ天井に点検口を付けている場合が多いようです。天井のふところは余り無く、人が移動することなど出来ません。
そのためプロは写真に写っている釣竿の先にフックが着いたような道具を使い電線を引っ掛けて取るのです。
専用の道具が無くても、木の棒に釘を打ち付けただけでも、継ぎ足しの出来るパイプでも、身近にあるもので工夫してみてください。
既設のコンセントに通線する
引っ掛けた線は既設のコンセントより送り配線で電源を貰うこととします。
たまたま点検口の上部にコンセントがあったので、その先端を簡単に通すことが出来ました。もし既設のコンセントや電源が遠い場所にあっても、コンセントを外した穴などから電線を送り、同じように点検口まで通線し、点検口で電線同士を接続すればよいのです。
後付ボックスの取り付け
ボックスの後ろの穴より電線を通し、壁にあけた穴にボックスを埋め込みます。左上と右下のネジを締めることにより、裏側にハネが出て、さらにまわし続けるとそのハネが手前に寄り、壁のボードを挟み込みボックスが固定されます。
コンセントの取り付け
丁寧に被覆を剥いた電線をコンセントに差し込みます。このときに大事なことは芯線や被覆に傷を付けないようにすることはもちろんですが、芯線を真っ直ぐに奥までしっかりと差し込むことです。
免許を持っていないとやってはいけない作業は、この最も簡単な電線の接続作業なのです。接触不良に因る火災の怖さを認識して作業してください。
写真を見るとコンセントの裏側には、上下に2個づつ穴が開いています。これは、次のコンセント等へ電気を送ることが出来る送り端子といわれるもので、先ほど通線した電線を既設のコンセントの送り端子に接続すれば、このコンセントが使えるようになるわけです。
仕上げにプレートをつけて
最後にコンセントとプレートをネジ止めして出来上がりです。このとき上の写真を見てもらうとわかると思いますが、コンセントをボックスにつけるための穴は横長の楕円です。つまり上下の取り付け部が少しですが左右に振れるため、ボックスが少し曲がってしまっても、真っ直ぐに修正することが可能です。
逆に言うと、せっかく真っ直ぐにボックスを取り付けても、最後の取り付けで曲がることが有るので、ネジを締め付ける前に曲がりを確認しましょう。
出来上がり
電気スタンドも点いて出来上がり。
今はもうここに机はありませんが、このコンセントlは携帯電話の充電や、掃除機の電源に大活躍をしています。

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